小さくても
豊かに暮らせる
25坪の家

間取りを考える時には「LDK」「ワークスペース」「居室」と部屋の単位で考えがちです。しかし、コンパクトな家では部屋ごとに区切ると効率が悪くなります。部屋を極力仕切らずに家全体を広く使えるように設計しています。

暮らしは建物の中で起こるものではありません。庭や軒下も建物の延長と考え、そこでも食事をしたり、焚き火や自転車整備などの趣味を楽しめるように、しっかりと屋根をかけて、生活空間の一つにしています。

仕切りを減らして居場所を限定しない暮らしを提案しているからこそ、ライフスタイルの変化に合わせて家を変えることができます。子育ての時間、子どもが自立する時間に合わせて可変できる家です。

部屋を仕切るために用いる通路や壁を極力少なくしています。余計な仕切りや壁がないから、25坪のコンパクトな家ですが、広々と暮らすことができます。区切りたい場合には移動式のパーテーションなどをお勧めしています。

居住スペースを確保しようとすると収納が少なくなるなどのデメリットが発生しがちです。しかし、25坪の家では、仕切りや壁の役割を収納スペースで確保することでゆとりのあるスペースと収納の両立を実現しました。

玄関からLDK、LDKから庭、洗濯動線など無駄のない動線にこだわっています。行き止まりを作らない間取りを組むことで回遊性が高い効率的な動線となります。

外観は山梨の景観に溶け込むように極力シンプルに仕上げています。シンプルかつ上品な仕上がりになるように佐官壁と木格子を組み合わせました。20年・30年先にも廃れないデザインになっています。

リビングの中心には大きな階段を配置しました。ただの階段ではなく、ベンチと兼ねています。座って本を読んだり、動画を見たりと空間を無駄なく使えるように一つの場所に二つ以上の機能を兼ね備えています。

ダイニングは、ボックス席を造り付けてカフェのような雰囲気に仕上げました。天井を少し低くしてこもり感を出すことで、落ち着きのあるカフェのような空間を演出しています。

一つの使い方だけでは生活の幅が狭くなってしまうため、ベンチ、座卓、本棚、TVボードなど、用途に応じていろいろな使い方ができるカウンターをリビングに設置しました。

デイベッドのようにお使いいただけるヌックと、勉強や仕事にお使いいただけるカウンターを設けています。リラックスタイムも集中時間のどちらにも使える2階が完成しました。

屋外テラスには、いくつもの段差を設けました。段差があることで、縁側のように腰かけたり、BBQ時の椅子にしたり、DIY時は作業用のデスクにしたりと、様々なアクティブな活動にもお使いいただけます。