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建築探訪の記録

スタッフの日常 2023年11月6日(月)
設計コーディネーターの小林です。

今回は静岡県 函南町にある「かんなみ仏の里美術館」をご紹介します。

二つの方形屋根の「堂」が特徴的な外観です。
山の中腹に位置しており、自然豊かな周囲の風景と建物が馴染んでいます。

建築設計は栗生明さんです。

反射を抑えた、風景と調和する素材を用いています。細部のデザインが綺麗です。
元々、函南町では24体の仏像が住民の方々によって守られてきましたが、
保存・継承の課題解決のためにこちらの美術館が作られたとのことです。

大規模な施設ではありませんが、丁寧な解説による展示は見応えがあります。
木貼りの外壁は細長い三角柱を並べたようなデザインです。
内部空間は「堂」のなかに展示室が納められており、シンプルな動線ながら歩くのが楽しい空間となっています。

仏像の展示室は方形屋根のかたちが室内にあらわれる気積の大きい空間で、
暗闇のなか仏像だけがライトアップされ厳かな雰囲気となっていました。

駐車場近くの開口部は地窓になっており、室内からは足元の緑のみが見える空間になっています。
外部の喧噪を意識させないような明暗・視線のコントロールがされています。
日常から離れ、静かに展示物と向き合うことができる美術館でした。

函南町の穏やかな雰囲気も素敵なので、ぜひ出かけてみてください。